不妊治療や妊活に欠かせない葉酸の効果、摂取時期、副作用、注意点など

葉酸は妊娠とは切り離せない栄養素です。私は不妊治療中ですが、毎日適正量をサプリメントから摂取しています。葉酸の効果や摂取方法、いつからいつまで摂取すればよいかなどのタイミング、摂取量、副作用についてまとめましたので、これから不妊治療や妊活をする人は参考にしてください。


葉酸とは

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葉酸は、水溶性ビタミンに分類されるビタミンB群の一種です。

ほうれん草に含まれる成分として発見されたことから、ほうれん草を意味するラテン語「folium」からfolic acid「葉酸」と名付けられました。

また、ほうれん草から発見される以前にサルの貧血予防成分として発見されたことから、monkeyのmをとって「ビタミンM」とも呼ばれています。

そのほかにも、ビタミンB群の中で9番目に発見されたことから「ビタミンB9」、化学構造から由来する「プテロイルグルタミン酸」など様々な呼び名が存在します。

葉酸には大きく2つの種類が存在する

葉酸には、大きく以下の2つの種類が存在します。

  1. ポリグルタミン酸型
  2. モノグルタミン酸型

葉酸は食品中にも含まれており、食品中に含まれている葉酸は、グルタミン酸が複数結合しているポリグルタミン酸型です。

一方でサプリメントに含まれている葉酸は、グルタミン酸が1つしか結合していないモノグルタミン酸型となっています。

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サプリメントの葉酸の方が利用効率がいい

実は、食品中のポリグルタミン酸型の葉酸よりも、サプリメントに使われているモノグルタミン酸型の葉酸の方が体内での利用効率がいいことが分かっています。

食品中のポリグルタミン酸型葉酸は、体内でモノグルタミン酸型にまで分解されてから利用されるため、利用率は50%以下にまで低下します。

さらに、葉酸は水溶性ビタミンであるため、茹でたりするなど料理をする段階で損失しやすいという欠点もあります。

一方で、サプリメントに含まれるモノグルタミン酸型葉酸は、そのまま利用することができるため、利用率は85%にものぼります。

葉酸を効率よく摂取するには、サプリメントを利用することがすすめられています。

研究によって有効性が示されているのはサプリメントの葉酸

後ほど詳しく説明しますが、葉酸の代表的な効果に神経管閉鎖障害のリスク低減があります。

実は、神経管閉鎖障害のリスク低減への葉酸の有効性を調べた研究の大半が、サプリメントの葉酸を用いています。

また、食品中の葉酸の神経管閉鎖障害リスク低減への有効性は、まだ科学的な根拠が不明確な状態となっています。

このようなことから、特に妊婦においては食品からだけではなくサプリメントからの葉酸の摂取が勧められています。

サプリメントには天然由来の葉酸と化学合成葉酸がある

サプリメントのモノグルタミン酸型の葉酸には、天然由来のものと化学合成されたものの2種類が存在します。

天然由来のものは、酵母や野菜などから抽出したポリグルタミン酸型葉酸を利用して作られています。

一方で、化学合成の葉酸は、石油などから人工的に作り出されています。

健康や妊活、赤ちゃんのためにサプリメントから葉酸を摂取するのであれば、天然由来の葉酸を選ぶようにしましょう。

不妊治療・妊活・出産に葉酸が必要な理由とは?

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葉酸は特に妊娠を希望している不妊治療中の女性や妊活中の女性、妊婦に必要な成分です。

さらには、妊娠後の授乳中のお母さんにも葉酸は効果を示してくれます。

葉酸は、「妊娠前」「妊娠中」「妊娠後」全ての段階において、女性の強い味方になってくれる栄養素なのです。

それでは、葉酸の妊娠への効果や摂取量についてお伝えします。

葉酸の基本的な働き

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葉酸は細胞の正常な分裂に欠かせない物質です。それは、葉酸には次のような重要な働きがあるためです。

  1. DNAやRNAの合成
  2. タンパク質の合成
  3. 赤血球の合成
  4. ホモシステインの血中濃度の低減

1. DNAやRNAの合成

葉酸は、正常な細胞分裂に必要不可欠な核酸、DNAやRNAの合成をサポートします。

家を作るのに設計図が必要なように、細胞分裂して新しい細胞を作るためには緻密な設計図が必要になります。

この細胞の設計図が記されている場所が、DNAやRNAです。

葉酸はDNAやRNAを合成するときに必要な酵素の働きをサポートする補酵素として活躍します。

2. タンパク質の合成

細胞を構成しているタンパク質の合成にも葉酸は必要です。

DNAやRNAが設計図が記されている場所だとすると、タンパク質は細胞という家を作るための材料や道具です。

また、タンパク質はDNAやRNAを合成する際にも必要になります。

つまり、タンパク質が正常に合成されなければ、正常な細胞を作ることも、正常な遺伝子を受け継ぐこともできなくなってしまうのです。

葉酸は、タンパク質を合成するときに補酵素として活躍します。

3. 赤血球の合成

葉酸は「造血ビタミン」とも呼ばれており、赤血球の合成に欠かせない物質です。

赤血球は酸素を細胞に運ぶという重要な役割を担っており、赤血球が正常に合成されないと、細胞は代謝活動が行えなくなります。

また、血液は体温を保ったり、ホルモンを正常に機能させたり、栄養を運んだりと健康や生命維持のために欠かせない働きを持っています。

葉酸は、ビタミンB12と一緒に赤血球を作り出し、血液の機能を正常に保っているのです。

4. ホモシステインの血中濃度の低減

葉酸は、ホモシステインの血中濃度の低減にも働きを示します。

ホモシステインはアミノ酸の一種であり、血液中に増えると血栓を作ったり血管の柔軟性を奪ったりして動脈硬化を進行させる物質です。

血中のホモシステインは、加齢などによって増えると考えられています。

葉酸は、ビタミンB6やビタミンB12と一緒に働いて、ホモシステインを他の害のない物質に変換します。

葉酸の不妊治療への効果

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葉酸は、不妊治療や妊活にも効果を発揮します。妊娠力の向上に繋がる葉酸の効果は次の通りです。

  1. 卵巣や子宮の機能を高める
  2. ホルモンの乱れを改善する
  3. 卵の分裂や成長をサポートする
  4. 着床しやすくする

1. 卵巣や子宮の機能を高める

葉酸には血行障害を引き起こすホモシステインを低減したり、赤血球を合成して血液の機能を正常に保ったりする働きがあります。

そのため、葉酸を摂取することで、卵巣や子宮に十分な栄養と酸素を届けて機能を高める効果が期待できます。

2. ホルモンの乱れを改善する

妊娠の成立にはホルモンが正常に作用することが大切です。

ホルモンは血液にのって目的の部位まで運ばれるため、葉酸で血行が改善されるとホルモンが正常に働けるようになり、ホルモンの乱れを改善することができます。

3. 卵の分裂や成長をサポートする

しっかり機能する卵子を得るためには、卵子が正常に細胞分裂を行うことが大切です。

また、受精した後も、妊娠するためには受精卵が正常に細胞分裂を行う必要があります。

葉酸は正常な細胞分裂をサポートするため、卵子や受精卵の分裂や成長をサポートすることができます。

4. 着床しやすくする

葉酸は、着床にも効果を発揮します。

妊娠を成立させるためには、受精卵が正常に細胞分裂しながら子宮内膜にたどり着き、子宮内膜に着床しなければいけません。

葉酸は受精卵の細胞分裂をサポートするだけではなく、子宮内膜をフカフカに育てて着床を助ける効果もあります。

葉酸が妊婦に及ぼす効果

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葉酸の効果として最も注目されているのが、妊婦や妊娠中の胎児への効果です。

葉酸を摂取することで、次のような胎児への効果が期待できます。

  1. 胎児の神経管閉鎖障害リスクを低減する
  2. 胎児のダウン症リスクを低減する
  3. 流産を防止する
  4. 妊娠高血圧症候群を予防し、改善する

1. 胎児の神経管閉鎖障害リスクを低減する

胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のための葉酸の摂取は、厚生労働省によっても推奨されています。
神経管閉鎖障害は胎児の先天性障害の一つです。

細胞分裂が正常に行われないと、神経管が正常に形成できなくなり、二分脊椎や脳が正常に作られない無脳症などの神経管閉鎖障害が生じます。

細胞分裂をサポートする葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害リスクを低減することができます。

2. 胎児のダウン症リスクを低減する

胎児の有名な先天性障害であるダウン症のリスクも、葉酸によって低減することができます。

ダウン症は、DNAが正常に合成されないことが原因で起こります。

葉酸はDNAの合成に重要な役割を果たしているため、葉酸を過不足なく補充することでダウン症のリスクを低減することが期待できるのです。

海外の研究では、葉酸をしっかりと摂取することでダウン症のリスクを70%も低減できると報告しています。

3. 流産を防止する

葉酸は、流産を防止する働きもあります。

妊娠を継続するためには、正常な細胞分裂を行うこと以外に、胎児にしっかりと血液を送ることも大切です。

葉酸を摂取することで、貧血を防止したり血行障害の原因となるホモシステインを低減することができるため、胎児の発育不全による流産を防止する効果も期待できるのです。

4. 妊娠高血圧症候群を予防し、改善する

多くの妊婦さんが経験する妊娠高血圧症候群にも、葉酸は有効であると考えられています。

妊娠高血圧症候群は、妊娠5ヶ月~10ヶ月の期間に起こりやすく、重症化すると母子ともに命の危険にさらされます。

現在、この妊娠中に起きる高血圧にも葉酸が有効であると考えられており、研究がすすめられています。

葉酸の産後への効果

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葉酸は、産後の女性にも以下のような効果を発揮します。

  1. 母乳の出をよくする
  2. 産後の回復をサポートする

1. 母乳の出をよくする

葉酸には、母乳の出をよくしたり、母乳のつまりを改善する効果も期待できます。

母乳は血液から出来ているため、血液を作り出す働きがある葉酸の摂取が有効なのです。

2. 産後の回復をサポートする

葉酸は産後の回復をサポートする働きもあります。

産後は、胎児を育てるための血液が必要なくなるため、一気に血液の量が減少してしまいます。

回復を促すためには、葉酸を摂取して不足した血液を補うことが有効なのです。

また、葉酸には自律神経を整える働きもあるため、育児などのストレスを和らげる効果も期待できます。

葉酸の摂取量と葉酸の摂取上限量

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成人における葉酸の摂取推奨量は、1日あたり240μgです。

一方で、胎児の神経管閉鎖障害リスクを下げるためにも妊娠する可能性のある女性は、普段の食事から葉酸を摂取することに加えてサプリメントなどから葉酸を1日あたり400μg摂ることが推奨されています。

妊婦だけではなく、妊活中や不妊治療中の女性においても葉酸の摂取が勧められるのは、胎児の先天性異常を防止するためには、妊娠が発覚しにくい妊娠初期に葉酸を摂る必要があるためです。

葉酸が必要だからといって、たくさん葉酸を摂ればいいというわけではありません。

後述しますが、葉酸には過剰摂取による副作用が報告されており、サプリメントから摂る葉酸の1日あたりの上限量は1300~1400μgとされています。

葉酸は双子の産み分けに影響あり?

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葉酸が双子の産み分けに影響を与えるという研究報告があります。

この研究では、不妊治療の体外受精で胚を子宮に2個戻したとき、葉酸をより多く摂っていた女性ほど双子を妊娠しやすいと報告しています。

産み分けへの葉酸の効果はまだ研究段階ですが、葉酸が細胞分裂をサポートすることを考慮すれば、胚の生存力を高めて双子の確率をアップさせる可能性は否定できないでしょう。

いつからいつまで摂取すればよいのか

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葉酸はいつどのように摂取すれば効果を得ることができるのでしょうか?

また、妊娠のために葉酸を摂取する場合は、いつからいつまで摂取すべきなのでしょうか?

こちらでは、葉酸の摂取方法やタイミング、一緒に摂取すべき成分などについてお伝えします。

葉酸の摂取方法

葉酸を摂取するときは、コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲むようにしましょう。水と一緒に飲むことで、サプリメントをしっかり胃にまで届け、吸収を助けることができます。

一方、葉酸を摂取するときは、カフェインやタンニンなどが含まれているお茶やコーヒーなどは一緒に飲まないように注意しましょう。

これらは、サプリメントの栄養素の吸収を妨げる働きがあります。

葉酸を摂取する期間

サプリメントとして葉酸を摂取した方がよい期間は、妊活中~授乳が終わる頃までです。

特に妊娠3ヶ月目までは最重要期間と考えられており、胎児の先天性異常リスクを低減するためには、妊娠初期にしっかり葉酸を摂取することが大切です。

妊娠初期に葉酸を不足させないためにも、妊娠を希望している時期から葉酸を飲んで、妊娠が判明したときにはすでに3ヶ月が経過しているという事態を回避しておくとよいでしょう。

また、授乳期も血液が不足しやすいため、造血効果のある葉酸を摂っておくことをおすすめします。

葉酸の効果的な摂取タイミング

葉酸を効果的に摂取するためには、1日に数回分けて摂取するようにしましょう。

葉酸は水溶性ビタミンですので、体内に溜めておくことができず、尿として排出されてしまいます。

葉酸の血中濃度を適切に維持するためには、1日1回のみの摂取よりもこまめに分けて摂取する方がよいのです。

飲み忘れを防ぐためにも、朝昼晩の食事のときに葉酸を摂るとよいでしょう。

ちなみに、私が飲んでいるサプリメントはこちらです。参考にしてください。

葉酸と一緒に摂取すべき栄養素

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体内で葉酸を効率よく働かせるためには、以下の栄養素を一緒に摂取すると効果的です。

  • ビタミンB12
  • ビタミンB6
  • ビタミンC

葉酸はビタミンBの一種ですが、ビタミンBは単体ではなく、ビタミンB群として複合体で働きます。

そのため、葉酸も他のビタミンB群と一緒に摂取するほうがよいのです。

特に葉酸と一緒に働く機会の多いビタミンB12とビタミンB6は一緒に摂るようにしてください。

また、葉酸はビタミンCによって活性型に変換されるため、ビタミンCも一緒に摂取すると効果的です。

葉酸と鉄分の関係

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葉酸と関係する栄養素の一つに鉄分が挙げられます。

葉酸は、赤血球を作り出すために必要不可欠な栄養素ですが、赤血球が正常に機能するためには鉄分も必要です。

赤血球には、酸素を運ぶという重要な役割があり、その役割を担っているのが鉄分なのです。そのため、造血のためには葉酸だけではなく、鉄分も過不足なく摂取することが大切です。

葉酸が不足するとどうなるのか。

葉酸には様々な働きがありますが、葉酸はどのようなときに不足し、葉酸が不足するとどのような症状が現れるのでしょうか?

葉酸が不足することで現れる症状を葉酸欠乏症といいます。葉酸が不足する原因と葉酸欠乏症についてお伝えします。

葉酸が不足する原因

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葉酸は妊娠時以外であれば、適切な食事をしていれば不足することはほとんどありません。

ですが、以下のような場合には、不足しやすくなります。

  1. 便秘が続いている
  2. 喫煙やお酒を飲む習慣がある
  3. ある種の薬剤を服用している

1. 便秘になると葉酸の供給が低下する

葉酸は腸内に住んでいる善玉菌によって合成されて、人体に供給されています。

そのため、便秘などによって腸内環境が悪化すると、善玉菌が減少し、葉酸の供給も低下してしまいます。

2. 喫煙やお酒は葉酸を消費させる

喫煙やお酒は、葉酸を消費させるため、葉酸が不足する原因となります。

3. ある種の薬剤は葉酸の吸収を阻害する

アスピリンなどの薬剤には、葉酸の吸収を阻害する働きがあると考えられています。

そのため、持病などで薬を服用している方は、葉酸への作用がないか確認しておくとよいでしょう。

葉酸の欠乏症と症状

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葉酸が欠乏すると、欠乏症として以下のような症状が現れやすくなります。

  1. 悪性の貧血
  2. 胎児の発育障害
  3. 粘膜系のトラブル
  4. その他様々な病気

1. 葉酸欠乏と悪性の貧血

葉酸が欠乏すると悪性貧血になるリスクが高くなります。

葉酸には赤血球を合成する働きがあるため、葉酸が不足すると酸素をまともに運ぶことができない巨大な赤血球が作られてしまいます。

すると、鉄分が足りていても細胞に酸素を届けることができなくなり、悪性の貧血が引き起こります。

2. 葉酸欠乏と胎児の発育障害

葉酸は正常な細胞の分裂をサポートする働きがあるため、葉酸が不足すると正常な細胞が作られにくくなります。

すると、胎児の脳神経などに障害が起こりやすくなってしまうのです。

3. 葉酸欠乏と粘膜系のトラブル

葉酸の欠乏は、口や胃腸などの粘膜系にもトラブルを引き起こします。

粘膜系の細胞は細胞分裂が盛んに行われている部位の一つです。そのため、葉酸不足による影響を受けやすいのです。

葉酸の不足によって、潰瘍や口内炎などが発症しやすくなると言われています。

4. 葉酸欠乏症と病気のリスク

葉酸が不足すると、様々な病気のリスクが高まると考えられています。

葉酸不足によってリスク上昇が懸念される病気は以下の通りです。

  • 動脈硬化
  • 心血管系の病気
  • 脳血管系の病気
  • うつ病などの精神疾患

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葉酸を摂取する上での注意点

葉酸には、摂取するときに気をつけてほしい点がいくつかあります。

葉酸の摂取上での注意点は以下の通りです。

  1. 過剰摂取を避ける
  2. ヨウ素の配合量に注意する
  3. ビタミンAの配合量に注意する

1. 葉酸サプリメントは摂りすぎに注意

葉酸の不足が心配だからといって、葉酸を摂りすぎないように注意しましょう。

サプリメントをいくつか利用したり、規定量以上服用すると葉酸の過剰摂取に繋がります。

後述しますが、葉酸には過剰摂取による副作用がいくつか報告されています。

2. 甲状腺疾患の人はヨウ素の配合に注意

甲状腺疾患がある人は、葉酸サプリメントに配合されるヨウ素に注意してください。

葉酸サプリメントの多くには、ヨウ素が配合されています。それは、葉酸を多く含む海藻類には、ヨウ素もたくさん含まれているためです。

橋本病や甲状腺機能低下症、潜在性甲状腺機能低下症の方は、ヨウ素が配合されている葉酸サプリメントによって、甲状腺機能低下を悪化させてしまう危険があります。

葉酸サプリメントを使用するときは、ヨウ素が配合されているかどうか、配合されている場合は量がどれくらい含まれているのかを確認し、使用する前に医師に相談してください。

3. 妊婦の方はビタミンAの配合量に注意

妊活中の人、妊婦中の人はビタミンAの配合量にも注意が必要です。特に妊娠中にビタミンAを過剰摂取すると胎児の奇形などの健康リスク高まることから、注意が必要となります。

ちなみに、妊娠中のビタミンAの推奨量は次のとおりです。

妊娠初期 妊娠中期 妊娠後期 健康に害のない上限
18〜29歳 650μgRE 650μgRE 730μgRE 2700μgRE
30〜49歳 700μgRE 700μgRE 780μgRE 2700μgRE

※1日あたりの量(内閣府食品安全委員会H24.9.26ファクトシートより

食品では多いものだと、鶏レバーで100gあたり14,000μgREが含まれています。

過剰摂取にならないよう、サプリメントを選ぶ際には製品にビタミンAに関する記載があるものを選ぶといいでしょう。(なお、私が飲んでいるサプリメントだと1日あたり1.8μgです。)

葉酸の副作用

悩む女性

葉酸を過剰に摂取すると副作用が現れる場合があります。主な副作用としては、以下のような症状が挙げられます。

  • 吐き気
  • むくみ
  • 頭痛
  • 蕁麻疹
  • 不眠症
  • 喘息などの呼吸障害
  • 亜鉛の吸収阻害

葉酸の過剰摂取の副作用は、本人だけではなく胎児にまで及ぶ可能性もあります。

葉酸を過剰に摂取することで赤ちゃんが喘息を発症するリスクが高くなることが研究によって示唆されています。

妊娠関連以外の葉酸の効果

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葉酸は妊娠関連以外にも様々な効果が報告されています。そのため、妊活中や妊婦でなくても葉酸が過不足しないように管理することが大切です。

葉酸は以下のような症状に効果が期待されています。

  1. 生理不順
  2. うつ病
  3. 血流促進
  4. 造血
  5. がん
  6. 白髪
  7. 若返り
  8. 眼精疲労
  9. 腎臓病
  10. 自閉症
  11. 月経前症候群
  12. 更年期障害
  13. 不眠

1. 生理不順

生理を順調に整えるためには、ホルモンやホルモンに影響を与える自律神経の乱れを改善することが大切です。

葉酸には、血流を改善したり自律神経を整える作用があるため、生理不順の改善にも効果が期待できます。

2. うつ病

葉酸の別名である「ビタミンM」のMはメンタルの頭文字であるとも言われています。

葉酸には自律神経を整えて、心身をリラックスさせる作用が報告されているためです。

そのため、葉酸はうつ病などの精神疾患にも効果が期待されています。

3. 血流促進

葉酸には、血流の促進や改善にも効果が期待できます。

葉酸は、造血作用によって血液を補ったり、ホモシステインを低減させて血栓の生成を防止したりする働きが報告されています。

そのため、葉酸を摂取することで、血液不足や血管の劣化を防止して血流を促進する効果が期待できるのです。

4. 造血

葉酸は「造血ビタミン」と呼ばれており、赤血球を合成するために必要な成分です。

葉酸を不足しないように摂取することで、造血を促し、血液の不足を防止することが期待できます。

5. がん

がんは遺伝子の変異や細胞の異常な増殖によって発生します。

葉酸は、DNAやRNAの合成をサポートして、正常な細胞分裂を促す働きがあります。そのため、がん発生予防にも効果が期待できると考えられています。

6. 白髪

白髪を予防したり改善するためには、頭皮に充分な栄養を届けて細胞の活性を促すことが大切です。

葉酸には、血流を改善する働きがあるため、頭皮への血流量を増やして低下した細胞の機能を回復させる効果が期待できます。

7. 若返り

老化防止や若返りのためには、細胞の生まれ変わりを促したり、代謝を活性化させたりすることが大切です。

葉酸には、正常な細胞分裂をサポートしたり、代謝に必要なタンパク質の合成をサポートしたりする働きがあります。

そのため、若返りにも効果が期待できると考えられているのです。

8. 眼精疲労

葉酸は眼精疲労にも効果があると考えられています。

眼精疲労を予防・改善するためには、血行を改善することが有効です。

葉酸には、血流改善効果があるため、眼精疲労にも効果が期待できるのです。

9. 腎臓病

葉酸は腎臓病患者にも有益である可能性が示唆されています。

慢性腎臓病患者において葉酸の摂取が、腎機能の低下抑制に有効であるという研究結果が報告されています。

10. 自閉症

自閉症の原因は明確に解明されていませんが、母体環境も自閉症の発生に影響すると考えられています。

そして、葉酸の適切な摂取が自閉症のリスクを低減するということが研究によって示唆されています。

11. 月経前症候群

月経前症候群の症状を緩和するためには、心身をリラックスさせて血行を改善することが大切です。

葉酸には、自律神経を整えて心身をリラックスさせる効果や血行を改善する効果があるため、月経前症候群の症状改善にも効果が期待できます。

12. 更年期障害

更年期障害の症状を改善するためには、ホルモンや自律神経のバランスを整えることが大切です。

葉酸には、自律神経を整える働きがあるため、更年期障害の改善にも効果が期待できます。

13. 不眠

ストレスなどによって交感神経が過剰に活性化すると不眠などの睡眠障害を引き起こします。

不眠を解消するためには、副交感神経を活性化させて自律神経のバランスを整えることが大切です。

葉酸には、自律神経を整えて心身をリラックスさせる作用があるため、不眠の解消にも効果が期待できます。

葉酸が含まれる食品

妊活中の方や妊婦は、サプリメントからの葉酸の摂取が推奨されていますが、食品から摂取したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

葉酸が多く含まれる食品とその含有量についてお伝えします。なお、食品成分データベース(文部科学省)をもとにしています。

1. 食品全体での葉酸の含有量上位

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比較的手に入れやすい食品の葉酸含有量上位は、以下の表の通りです。

食品名 100gあたりの葉酸含有量(μg)
焼きのり 1900
せん茶 1300
とりレバー 1300
抹茶 1200
牛レバー 1000
玉露 1000
豚レバー 810
わかめ 510
茹でたえだまめ 260
モロヘイヤ 250

表をご覧になって分かる通り、藻類やお茶、レバーなどに葉酸は多く含まれます。

しかし、これらの食品から葉酸を摂取する場合は注意が必要です。

まず、藻類にはヨウ素も豊富に含まれているため、藻類を多く摂りすぎると甲状腺機能低下に繋がります。

また、せん茶や抹茶などにはカフェインやタンニンが多く含まれるため妊娠中の摂取には注意が必要です。

カフェインやタンニンには、葉酸の吸収を阻害する働きがあります。レバーについては、ビタミンAの過剰摂取に注意する必要があります。

2. 野菜に含まれている葉酸の含有量上位

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葉酸は野菜の中にも豊富に含まれています。野菜に含まれる葉酸の含有量の上位は以下の表の通りです。

野菜名 100gあたりの葉酸含有量(μg)
えだまめ(茹で) 260
モロヘイヤ(生) 250
アスパラガス(油いため) 220
芽キャベツ(茹で) 220
ほうれん草(生) 210

上表は、食べやすいものを主に記載しています。

基本的に葉酸の含有量は加熱した野菜よりも生の野菜の方が多くなります。そのため、葉酸を摂取したい場合は、サラダや手作りジュースなどにして食べることが効果的です。

3. 果物に含まれている葉酸の含有量上位

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果物にも葉酸は含有されています。果物に含まれる葉酸の含有量上位は以下の表の通りです。

果物名 100gあたりの葉酸含有量(μg)
ライチ 100
いちご 90
アボガド 84
マンゴー 84
グリーンキウイ 36

果物は生のままでも美味しく食べることができたり、野菜と一緒に手作りジュースにしたりすることができるので、葉酸の摂取におすすめの食材です。

参考文献・サイト


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