和三盆-優しい口どけ

 最近、和三盆という言葉をよく耳にするようになってきました。和三盆といえば、落雁などといった和菓子に広く使われていましたが、最近は洋菓子にも使われてきています。「和三盆ロール」などが有名ですね!「和三盆アイス」もあったような・・・。砂糖として和三盆を使うだけで、品のよい和の味に大変身!家庭で使うことはあまりありませんが、使いこなしてみたい和三盆の魅力についてご紹介します。

和三盆の歴史

 和三盆(和三宝:わさんぼん)とは、香川県や徳島県などで伝統的に生産されている砂糖の一種です。

 日本では江戸時代あたりから、主に黒砂糖が作られていました。徳川吉宗が享保の改革においてサトウキビの栽培を奨励すると、高松藩、徳島藩でサトウキビが育てられるようになり、秘伝の精製法を確立して和三盆ができあがりました。

 和三盆は、東四国の貴重な特産品として、和菓子などに広く利用されています。香川県は、近年は希少糖の開発でも有名ですよね。もともと和三盆が名産でした。和三盆の上品な甘さは、郷土菓子の発展にも欠かせないものとなっています。

 また、阿波の国(徳島県)で作られる和三盆は、「阿波和三盆」と呼ばれています。なんと、この地方にさとうきびが入植されて、和三盆が作られてから 200 余年と言われています。和三盆って伝統的ですね・・・。

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和三盆の原材料

 和三盆の上品で強調し過ぎない甘さは、明らかに普通の砂糖(上白糖やグラニュー糖)とは違いますよね。和三盆の原料となるさとうきびは、「竹糖」とよばれる在来種です。

 和三盆用のさとうきびの栽培方法は、上白糖などのさとうきびとは大きく異なっています。収穫効率が通常のさとうきびよりも悪いのですが、そのさとうきび自体の味の良さにこだわって、この竹糖を作り続けているのです。和三盆の優しい味わいは、竹糖自体の品質によるものなのですね!

和三盆の製法

 和三盆は、伝統的ないくつもの手作業を経て作られます。

  1. まず、竹糖を絞って汁を出し、その絞り汁を精製濾過して白下糖を作ります。
  2. 続いて、1の白下糖を盆の上で練り上げて、粒子を細かくします。この作業を盆の上で3度ほど行っていたため、「和三盆」という名前がつきました。最近では、さらなる「白い和三盆」を求めて、5回以上この作業を行うそうです。
  3. 2の和三盆を麻の布に詰めて、「押し舟」という箱の中に入れて重石をかけ圧搾します。
  4. 3の作業を繰り返し、最後に一週間ほどかけて乾燥させると和三盆のできあがりです。

 かなり重労働な手作業のうえ、白下糖から和三盆を作ると量が4割程度にまで減ってしまうそうです。和三盆が高価なのには理由があるのですね。

和三盆の用途

 和三盆って近所のスーパーではあまり見かけませんよね。和三盆を手に入れるには、高級スーパーやインターネットを使って取り寄せてください。ところで、和三盆ってどんなところに使われているのでしょう?

和菓子

和三盆

 和三盆といえば、落雁、羊羹、飴などといった和菓子ですよね!落雁の、さくっとしてじわーっと広がる上品な甘さは、和三盆ならではです。

落雁についてはこちらをご覧ください。

洋和菓子

 最近、洋菓子屋さんでも「和三盆」の名前をよく目にします。和三盆がケーキにまぶされていたり、カステラに用いられていたり。和三盆を使うと、ちょっと和の要素が加わって、「いくつでも食べられて」しまいます。ちょっと怖い・・・。

料理

 和三盆を煮物に使うと、甘すぎず優しい味に仕上がります。私は煮魚に使ったことがありますが、魚が固くならず、ふわっと仕上がりました。和三盆はちょっと高価なので、特別な日に使いたいですね。味にうるさいお寿司屋さんやお蕎麦屋さんでも、めんつゆ、玉子焼き、寿司飯などに和三盆が使われているそうです。

 また、お寿司屋さんで「なんとなく寿司めしが黒っぽい・・・」と感じたことがあるのですが、和三盆を使っているとのことでした。角がない優しい甘さで、鯛など白身魚の味を邪魔せずとてもおいしかったです。

 いつもは、和菓子などでなんとなく食べていた和三盆。たまには、日常生活の中にも取り入れたいですね。和三盆でいつもの料理が一味違ったごちそうになりそうです!

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